Netflix『全裸監督』は真剣に作っている熱量が素晴らしい!
こんにちは。
普段あまりドラマを見ていない私ですが、先日の『The Boys』に続き、またドラマを見ちゃいました。 [kanren postid="226"]
Netfilixで話題となった『全裸監督』です。
中国でも話題作になった『全裸監督』
『ナイスですね』の決めセリフで有名なAV監督、村西とおるさんをモデルにしたドラマ、『全裸監督』は芸能人からの高評価などもあり、話題になってましたよね。
中国でもこのドラマはかなり話題になっていまして、面白そうなので嫁と一緒に鑑賞しましたよ。
TVじゃないから出来たんだろうな・・・
このドラマ、内容の素晴らしさについては今更私が語るまでもなく、主演の山田孝之さんを始め、黒木香さん役の森田望智さん他、出演者の熱演が素晴らしい傑作でした。
ちゃんとお金を使ってちゃんとした人達がドラマを作るとこうなるんだ、という良い見本ですね。
この全裸監督はテーマ的にTVではやりづらい内容だと思うけど、そうでなくてもTVドラマはアイドルをキャスティングしたり、スポンサーの問題とか制約が多すぎてつまんなくなっちゃうことが多数あるんだろうな・・・
一応、村西とおるさんの半生を綴った『全裸監督 村西とおる伝』が原作となっているこのドラマですが、事実をそのままドラマにしているわけではなく、大筋をなぞりながら大きく脚色したり、時系列を入れ替えたりして面白く、ドラマチックな演出がなされています。
黒木香『SMぽいの好き』は1986年、その頃高校2年生か・・・
1971年生まれの私としてはこのドラマ、1980年代のアダルトビデオ事情ってこんな感じだったな~、というところが面白かったな。
劇中に村西とおるの人生を変えることになる伝説のAV『SMぽいの好き』が出てきますが、これのリリースが1986年で、当時の私は高校2年生でした。
アダルトビデオを未成年でもなんとなくレンタルできた頃ではありますが、家にはビデオデッキが1台、リビングにしかないという環境だったので日常にアダルトビデオがあるっていう感じではなかったけれど、いまよりもアダルトビデオ専門誌が多かったので、一通りのエポックな出来事は覚えてます。
ただ、劇中では爆発的なヒットをする『SMぽいの好き』ですが、当時はそんな感じじゃなかったような気がしますね。
タイトルは知ってる、黒木香も知ってる、でも見たことない
ワキ毛とございます調の喋り方で有名になった黒木香さんはTVにもかなり出ていたのでもちろん知ってました。
つーか、黒木香さん本人よりも演じた森田望智さんの方が確実に美人だし。
村西とおるさんもメディアへの露出が割と多かった気がするので、ブリーフ姿とナイスですねに代表される名セリフは知ってるんですが、じゃあ作品を見たことあるか、と言われると見たことがないんですよね。
どちらかというと当時はネタとして消化されるような、キワモノという取り扱われ方だったんじゃないですかね?少なくとも当時の高校生の間では。
クリスタル映像よりも宇宙企画、黒木香よりも秋元ともみ、という時代だったはずです。
いま見たら秋元ともみさんの写真集その他は古本でプレミアついてましたね。
まあ、その後淫乱ブームが起きてドラマの中での流れになっていったと思いますけど。
制作スタッフが同年代みたい
どういう人達が作っているのかな?と思って見てみたら、割と年齢が近い人達でした。
総監督の武正晴さんは当時20歳くらいなので、黒木香さんにワキ毛以外のなにかを見ていたんでしょうし、村西とおるさんにもキワモノという言葉では語れない特殊性を見ていたんでしょうね。
昔流行ったものが十数年サイクルで再流行する、いわゆるリバイバルは自分が若かった頃に流行ったことを大人になって権力をもったおじさん達が懐かしんで、それをまた世に出す行為だと思うんですが、この全裸監督はそのアダルトビデオ版なんだと思います。
※リバイバル、というとファッション業界ですが、70年代、60年代は何度かリバイバルしているのに80年代ファッションはダサすぎてリバイバルしていない、と思っていたら80年代シティポップという形で80年代の音楽が再評価されてますね、最近。
茶化していないのが素晴らしくいい!
このドラマの素晴らしいところは、まったく茶化していないところです。
普通、このテーマならちょっと照れが出たり、文化論的に俯瞰した感じで距離を置いて撮ったりしそうですが、照れず、正面から撮っているので、山田孝之さんの白ブリーフですら恰好いい。
この熱量を感じられる作品というのはドラマ、映画に限らずなかなかないのではないかと思います。
シーズン2に期待!
テーマといい全体の手触りといい、私の好きな映画『Boogienights』によく似た『全裸監督』ですが、シーズン2の制作が決まったそうですね。
また同様の熱量を感じるような作品になるといいですね。