華東師範大学MBA課程、修了しました!

2019年2月から華東師範大学のMBA課程に在籍していましたが、この度無事に修了し、修士の学位をゲットしました。

後でああ、そうだったね、そんな感じだったね、と自分で思うための備忘録なので読んでも面白くない雑文ですが、興味のある人は読んでみてください。

修了要件は46単位取得+修士論文

修了するためには46単位を取得し、修士論文を書かなくてはいけないのですが、私の場合、日本で修士を取得した大学が華東師範大学との間でダブルディグリー・プログラムという制度を設けていて、それを利用して華東師範大学に入学しました。

ダブルディグリー・プログラムのメリットとしては下記のようなものがあります。

  1. どちらかの大学に籍を置いたまま、一定期間提携先に留学などをすることで2つの大学の学位がとれる
  2. 2つの大学にそれぞれ正規に通うよりも短期間で修了することができる

実情を言うと日本で取得した単位のうち20単位をトランスファーすることができたので残りの26単位を華東師範大学で取ればOK、ということになり、まったくのゼロから入学するよりは早く卒業できたのかな、という気もしますが(残りの26単位を取り終えるまでに入学から1年掛かりました)、論文を書くタイミングなどは学校から指定されるので、結局2年は在籍することになります。

だから、短期間で卒業、っていうのはちょっと語弊があるかもしれませんね。

修士論文が大変…

修士論文は30000字以上書く必要があります。

論文は指導教員にテーマ選びや内容などについてアドバイスをもらう形ですが、私の場合直前に日本で書いた修士論文を一部中国向けにローカライズすればいいじゃない、と指導教員に言われたので、そんなに大変だと考えていませんでした。

実際は大変だったんですけどね…

中国語で論文を書くのは無理ゲー

日本語で既に書いた論文を中国語にする、という作業をしなくてはならないわけですが、当初下記のような作業を予想していました。

①日本語の論文をなるべく平坦な文章にする

②その平坦な文章を百度翻訳で機械翻訳

③出てきた文章を修正して仕上げる

ここで問題になるのが③で、そこまで中国語に精通していない私自身が機械翻訳された文章が適当かどうかを判断することができない、という点です。

そこで日本語ができる中国人の妻を当てにしていたわけですが、③だけをやってもらおうと思っていたところ、元の文章がどんな内容なのか、しっかり理解していないと③を行うことができない、ということがわかりました。

結局、妻にも元の論文を熟読してもらい、②で機械翻訳された文章を大幅に修正してもらいながら中国語版を完成させる、というなかなか時間の掛かる作業となりました。

というか、多分大変な作業になるだろうな、時間掛かるしこんなにすんなりいく筈がない、という予想はしていて、予想通りだったわけです。

それを見越してかなり前に妻には②の機械翻訳後のファイルを渡しておいたのですが、2ヶ月間放置されていたりして…

仕事を持っている人に頼んでいるので強く言いにくいということもあったので催促していなかったんですが、締切まであと1ヶ月、という段階で作業を初めて大変さに気づいた妻が「なぜ催促しなかったのか」と言い出したりして、夫婦仲が悪くなる一幕もありました…

中国語で文章を書くことをまったく苦にしないという人もいるでしょうけど、私の場合は妻がいないと絶対に論文を完成させることはできませんでしたね。

論文の書式上の作法が日本と中国で違う

論文の初稿を提出すると、指導教員から修正点の指摘を受けました。 大きくは下記のような内容です。

①章が変わる度にまずこの章ではこのような内容を取扱い、このような結論を得た、ということを記載し、章の最後でももう一度同じ内容を明示していたが、この部分はいらない、と言われた。

②ケースを紹介する章でケースから見える課題4つをまず列挙し、課題に関する考察は別の章で行っていたところ、課題を挙げたらその下に考察を持ってきて、結論までいきなさいと言われた。

この結果、一旦完成した論文の構成を大きく入れ替えることになりました。

この辺は文章を書く場合の作法の問題、という気がするのでどちらが正解、ということはないような気がしますが、妻も日本語で書いた論文を中国語にそのまま直すとかなり違和感がある、と言っていたので、文章のストラクチャーが日本と中国では違うということなんでしょうか。

修士論文を発表するまでのプロセス

論文は書いて提出して終わり、ではなく、下記のような段階を踏む必要があります。

①开题报告 これは論文のテーマ報告会で自分の論文の研究報告書を発表し、指導教員を含む3人の先生に承認をもらう、というものです。2020年1月に参加しました。

②预答辩 論文発表会のリハーサルです。2020年9月にリモート参加しました。この時点ではまだ論文は完成していない人も多いのですが、一旦論文を学内の印刷書で論文を印刷&製本してもらい、パワポの資料を作り、論文の発表を行います。 ここでダメ出しされるとその部分について修正をする必要が出てきます。

先生が3人参加し、内容について意見をくれますが論文に目を通すのは当日のようで、正直かなり浅い、ちゃんと読んでねーだろ!というような意見を頂戴したりします。

こういう変な意見を真に受けると論文が迷走しますが、私は聞かなかったことにしてほとんど修正しませんでした

③答辩 論文発表の本番です。2020年11月にリモート参加しました。 論文を発表し、3人の先生(うち一人は他の学校の教員)の承認を得られれば合格、修了要件を満たすことができます。

上記の①~③すべてに参加しないといけません。しかし②、③についてはコロナの影響でキャンパス内に入るための許可が必要となったのですが、諸事情(学校側のテクニカルな事情)で入校申請が降りず、やむなくリモートでの参加となりました。

答辩は中国語の台本を必死で暗記

論文の発表は持ち時間10分間。中国語で行わなくてはならないので、台本を用意して暗記しました。

台本は妻(中国人)に協力してもらい、それを音声を読み上げてくれるサイトに入れ、中国語で読み上げしたものをMP3で書き出し、そのまま真似する、という感じで練習です。

まあでも普段使わない言い回しや単語がたくさん出てくるので全然スムーズに覚えられないし、発音できないんですよね。

当日は台本を見ながらでもいいや、リモートだし、ということで完全に暗記するところまでは頑張れませんでした。

論文発表会当日、持ち時間10分が5分に変更…

論文の発表会は1つのグループの参加者が約20人、全部で20グループ位あるので、1人10分×20人だとして3時間半位、先生たちからの質問も入れたら4時間以上かかる計算です。

長いな、と思っていたら始まる前に先生が「1人5分にしましょう」と言い出した…

台本はぴったり10分くらいの量だったので、自分の番が回ってくるまでの間にいらないところを削る作業をする羽目になりました。

私はリモートで発表したのですが、かなりしどろもどろになってしまいました。

発表が終わると3人の先生からそれぞれ意見や質問が来るのですが、リハーサルの時と違い、さすがに最終発表に参加する先生たちは事前に論文にしっかり目を通しているらしく、妥当な質問が来ます。

その質問に回答をしなくてはなりませんが、それが終わると先生達が合格、不合格をジャッジする、という感じでした。 3人中2人がOKを出せば合格、だと思います。

実践単位、という単位が必要なはずが有耶無耶に…

こんな感じで論文もなんとかクリアしたわけですが、卒業には実践単位、という単位が5単位必要だったはずなんですよね。

これは校内で時々催されるケース分析大会などに参加することで得られる単位なんですが、グループワークをしなくてはならないんですよね。

でも、原則的に中国の大学生は寮生活をしているので学校にいないとグループが組みにくい、という事情があります。

また、私は2018年秋学期入学扱いなんですが、半年遅れて入学して2年間在籍なので、同級生は私よりも半年前に卒業していて、そもそも知ってる学生がいなかったりして、実践単位どうするかな、と思っていました。

一度ケース分析大会に出ているので、それで1単位は取れてるんだけど、足りないって言われたらその時考えよう、と思っていたんですが、そのまま何も言われず卒業できました。

中国語がそこそこできれば単位は取れる。

中国でMBAを取る、というのはなかなかニーズが無さそうですよね。 私にしても成り行きで取りましたが、日本人が中国で働きながらMBAっていうのは時間的なハードルが高いと思います。

卒業してみての感想としては中国語がそこそこできれば単位は取れるな、という感じです。 テストは全然できなかった、という科目でも期末の成績は75点位は取れていたし(大体平常点が50%くらいあったりするので、ちゃんと出席していれば赤点にはならないようです)。

あとはクラスで助けてくれる友達を見つけて、科目ごとのグループチャットにしっかり混ぜてもらう、とかですね。

なんだかんだ、情報共有が大事ですね。

この辺はMBAだから、っていうことではなく、本科留学する方も大体同じだと思いますので、参考にしてください。参考になるかな?

とうわけで学生の立場はこれで一区切りついた形です。あーすっきりした!