富士通FM-7の思い出 ミステリーハウスにスターフリート!

FM-7を手に入れた私。 [kanren postid="803"] 本体のおまけとして庄子電気のお兄さんがプレゼントしてくれたのはハドソンの野球拳という非常に微妙なゲーム。小学6年生に野球拳かよ。

最初に買ったゲームはミステリーハウス

そこで購入したゲームは『ミステリーハウス』だった。

ミステリーハウス、というタイトルのアドベンチャーゲームは下記の二つがあった。

1.AppleⅡのソフトとしてSierra On-Line社が発売していたもの

2.日本の会社、マイクロキャビンが国産機向けに発売していたもの

1についてはスタークラフトという会社が国産機向けに移植版を出していたものの、フロッピーディスクがないと遊べなかった。

2については多分国内で初めてのグラフィックありのアドベンチャーゲームだったはずで、すがやみつる先生の『こんにちはマイコン』で紹介されていたというのもあり、かなりヒットしていたはず。

そこで2のマイクロキャビンのミステリーハウス・FM-7版を購入することにした。

[caption id="attachment_889" align="alignnone" width="300"] これが国産最初のアドベンチャーゲームかな?[/caption]

英単語を入力して屋敷の中を探索し、金庫の中のダイヤモンドを手に入れる、というようなゲームで単純な絵柄のゲームだったけれど、始めて遊ぶアドベンチャーゲームは刺激的だった。

VASE、とかCHAIR、SERCHとか英単語を覚えたのもこのゲームが初めてだった。

このゲームは最初に数字を入力させられるが、この数字によって必要なアイテム隠し場所が変わり、毎回探す楽しみを味わえるという仕組みになっていた。

しかし、最後の金庫を開けるために数字を入力する必要があるが、その数字がなんなのか最後までわからず、結局ダイヤを入手して屋敷の外へ出るエンディングには一度もいけなかった

でも、その直前のところまでたどり着くだけでもとても楽しかった。

このゲームのミソは何度も遊べる、というところだったと思う。

このころのアドベンチャーゲームというと話は分岐せずに一本道となっていて、謎解きというよりは単語探しのような作業になることも多く、一度わかってしまうとそこまでは同じ手順でたどり着けるというものだったので、一度エンディングまでいったアドベンチャーゲームをもう一度楽しく遊ぶのは難しかった。

しかし、このミステリーハウスは前述したように多少違う展開をするので、まあ2回目、3回目も楽しく、長く遊ぶことができた

テクノソフトのスターフリートはスタートレックのパクリゲー

ミステリーハウスの後、買ったソフトはスターフリートというソフトだった。

[caption id="attachment_890" align="alignnone" width="207"] スタートレックのパクリゲー[/caption]

当時、私の住む仙台市でPCソフトを扱っている電気店は地元の庄子電気、小松電気くらいしかなく、このソフトは庄子電気で購入した。

しかもこれがどうしても欲しい、というわけではなく、店舗においてある中から面白そうなものを選ぶ、という買い方だった。

パッケージを見ると宇宙もので、今ならスタートレックを模したゲームなんだな、とわかるところだが、仙台の小学6年生にはスタートレックの情報が届いていなかった。

パッケージのプレイ画面を見るとワイヤーフレームっぽい感じの3D視点のシューティングゲーム、という感じが伺えた。

[caption id="attachment_891" align="alignnone" width="300"] スターフリートのプレイ画面[/caption]

例のみずの書店であそんだMZ-80Bのソフト『TEXAS ZONE』を思わせるその感じで購入を決めた。

ちなみにパッケージには敵となる異星人の名前の部分に『エイリゴン』というシールが貼ってあった。不思議に思った私は購入後、そのシールをはがしてみた。すると下には『クリンゴン』と書いてあった。

クリンゴンは本家スタートレックの敵、クリンゴン星人だけど、スターフリートも敵の名前をクリンゴンのままでいろいろ作っちゃってたんだろう。 1983年の話ではあるけれど、やっぱり版権的にヤバい、ということになったと推察。でも、パッケージには思いっきりスタートレックと書いてあるけど。

このゲーム、ある一定の星域内にいるエイリゴンの宇宙船を索敵しながら打ち落とす、というゲームでリアルタイムSLG、とでもいうようなシステムで今考えたらかなりいい感じのゲームだったと思うけれど、小学6年生には難しかった。というかスピード感に欠けるゲームだった。

敵が画面上に見えない、探す必要があるということやゲームそのものの世界感が良くつかめなかったのかもしれない。

そういうわけでこのゲームもエイリゴンを壊滅においやり、宇宙に平和をもたらしたことはなかった

フライトシミュレーター&スペースビー

小学6年生がゲームソフトを頻繁に買うのは難しかった。

しかし、スターフリートが当時の私にとってハズレだったという経験から、ソフトを買う場合には熟考しなくてはならない、と思った。

そこで次に購入したのがキャリーラボが発売したフライトシミュレーター&スペースビー

これはワイヤーフレーム描画のフライトシミュレーターと当時アーケードゲームで人気だったナムコギャラガのようなシューティングゲームがセットになっていた。

[caption id="attachment_896" align="alignnone" width="234"]ナムコの傑作、ギャラガ[/caption]

フライトシミュレーターがなんとなく面白そうだけどすぐには決着がつかない、スピード感に欠けるゲームのような感じがしたけれど、そのワイヤーフレームはとても興味を引いた。

[caption id="attachment_893" align="alignnone" width="300"] ワイヤーフレームが好きだった[/caption]

そこにスペースビーだ。

スペースビーはシンプルなだけにある程度遊べるだろう、という保険の働きをして私の背中を押した。

実際に購入後に遊んだ感想は購入前の印象通りで、フライトシミュレーターは操作が難しく、標的に爆弾を落として基地に戻って着地するまでが1セットのはずだけど、標的に爆弾が命中したこともなければ最後に着地に成功することもなかった

姿勢の制御が難しいし、ある意味ではリアル過ぎたのかもしれない。

それでもいかにもパソコン、という感じのフライトシミュレーターはなんというか、大人のやる遊びをやっている感を小学6年生にもたらしてくれ、上手くいかないながらも何度もチャレンジすることになった。

当時、同じクラスに横田君という友達がいて、彼が時々遊びに来たが、彼は新谷かおる先生のファントム無頼が好きで、主人公の神田になり切って遊ぶのはいいのだが、私にナビをやらせて『栗さん』と栗原役をやらせるのが妙に恥ずかしかった。

スペースビーは見たままのシンプルなシューティングゲームで、結果としてはフライトシミュレーターよりもこっちで遊ぶことが多くなった。

何人か友達が来たときにもスペースビーならかわりばんこに遊ぶことができた。

AppleⅡと洋ゲーへの憧れ

この頃、アドベンチャーゲームが大流行した。

キー入力制御の問題からアクションゲームを苦手としていたFM-7ではアドベンチャーゲームが多数リリースされていくが、前述のミステリーハウスのあたりからAppleⅡの存在を知るようになった。 時系列が良く思い出せないが、当時アニメ好きでもあった私が買っていた『月刊OUT』に後にドラクエを作ることになる堀井雄二氏がゆう坊のでたとこまかせ!という連載コーナーで熱くウィザードリィについて語っていたことがあり、いつかこのゲームで遊びたい!と強烈に思ったのがAppleⅡについての初めての情報だったようなそうではないような…

AppleⅡと洋ゲー移植版の思い出はまた続きで。