クラウドライターへの無茶振り

ウサヘンがクラウドライターとして書く記事はいわゆるキュレーションサイトに使用されています。

既存記事を参照したコピペではない記事を書く

ウサヘンは書けって言われればなんでも書いています。仕事ですから。

いわゆるキュレーションサイトっていうのは既に存在している情報、記事を集約したりわかりやすくしたりまとめたりするっていう意味で一定の機能を果たしているとは思いますが、記事を準備するのはなかなか手間なので、クラウドで発注しよう、ということになるわけです。

ただし、先日もコピペで大問題になったように、記事の内容にコピペがあったり、写真のライセンス問題があったりすると面倒なので、発注側からすると制約をたくさん設ける必要があります。

そうなると、既存の記事を参照しながらコピペではない内容をそれなりの字数使って書く、ということになります。

キーワードの多さが無茶振りを生む

キュレーションサイトに関わらず、ネットメディアは人目に触れてなんぼなので、検索エンジン対策、いわゆるSEOが大事になります。

そうなると特定のキーワードが7000文字中に何回登場する、というような制約が発生します。

キーワードによる検索エンジン対策は重箱の隅のつつきあいなので、皆が検索するキーワードそのものではなく同じような感じだけどちょっと違う単語を使ったり、特定のキーワードを複数使った複合キーワードを使うような指示がくるわけです。

しかし、SEO的なキーワードというのは口語の文章になじまない単語だったりすることが多く、かなり強引な言い回しになってしまったりします。

また、記事タイトルとして指定されているものとキーワードがまったくなじまない、このタイトルで書く内容に登場させるのは厳しい、というキーワードが指定されていることが多々あります。

要するに、無茶振りですね。

7000文字中で使用するキーワードが全部で10個、そのうち2個は100回ずつ使う、残りの8個は20回ずつ使う、みたいな指示がSEO的な制約の中生まれてきます。

発注する側の知能やリテラシーの問題

このようにSEO的条件と記事内容の有益さ、というのを比例させるのはかなり難しく、条件を満たすために書くとかなりどうでもいい内容になるわけです。

というか、発注する側としても内容的に斬新な、素晴らしいものを求めているわけではまったくなく、検索したらひっかかりやすく、なおかつ嘘ではない記事であればいいのです。

しかし、発注する側の指示に物理的に無理な指示が含まれていることもザラなんですよね。

先日、ウサヘンが書いた記事のタイトルはこんな感じでした。

青森市にある男性専門の医療脱毛専門クリニック 20選! ※あくまでも説明するための例です。

調べてみると青森市には医療脱毛専門クリニックは15箇所しかなく、20選というタイトルとは齟齬が生じることがわかりました。

そこで発注企業の担当者に青森市には15箇所しかテーマに沿う医療機関はありませんので、タイトルを20選から15選に変更することは可能ですか、と連絡をしました。

すると、下記のような返事が帰ってきました。

”20選で発注しているので社会通念上必ず20選にしてもらわないと納品したことにならず、お金も払えません残りの5つは東京都内のクリニックで初回カウンセリングの交通費を持ってくれるサービスをしたりしているところがあるので、そこを書いてみてはどうですか?”

社会通念上、20箇所存在しないものをあたかも存在するかのような記事タイトルで発注しているそちら側がおかしいのでは?と思いますが、言われたとおりに作業して納品しました。

単なる愚痴ですが、クラウドライターってこんなもんです。

ウサヘンにとって文章を書く面白さとか書きたいことを書く場としてはこのブログがあるので、クラウドライターは完全に収入源としてしか見ていません。

但し、バカバカしいなと思って書いていることもまた事実。でもバカバカしくない仕事ってどの位あるわけ?とかシニカルなことを思ってやっていますよ。

単なる愚痴ですが、クラウドライター業界は知的搾取ですらないよ、っていう話でした。