上海勤務が限界だと思った3つの理由

上海の日系企業で働いていたウサヘンですが、これは限界だな、と思い退職することにしました。 それには3つの理由があります。

限界と感じた理由その1 上司にやる気がない

ウサヘンが働いていたのは創業60年を超える老舗商社の上海現地法人でした。

30人ほどのスタッフのうち、支店長にあたる総経理は日本からの駐在員、あとは部長のポジションにやはり日本からきた駐在員が2人でした。

この3人、全員がやる気がない。

はやく日本に帰りたくて仕方がないんですね。それまでの期間をつつがなく過ごしたいと思っている。

業績が悪くたって日中関係の悪化とか、中国の人件費の高騰だとか、お客さんの日系企業の経営縮小とか、いろいろな言い訳ができるし。

とにかく、どこにも出かけず、社内でずっとPCを見ている。3人ともね。

限界と感じた理由その2 社内の仕組みの問題

ウサヘンの勤務していた上海法人は日本本社と中国の仕入先のあいだに入って貿易業務の仲介を行う、というのが主な業務で、利益はコミッションを数パーセント本社からもらう、という形でした。

ということは、上海法人の業績は本社に左右されるわけです。

こうなると、上海法人の業績が悪いのは本社が仕事をとれていないからだ、ということになりますので、ますます言い訳の材料ができてしまう。

これは本社の売り上げに応じたコミッション収入という仕組みをとっている限り、いつまでも続く問題のはずなんですが、誰も指摘しないという不思議な状態。

じゃあ、自分たちで売上を上げるようにあたらしい客なり商品を開発すればいいじゃん、と思うんですが、中国の会社になにかを販売するとなると売上回収の心配が出てくる。だから、やらないんだって。

 

限界と感じた理由その3 顧客企業のコバンザメ

中小の商社なんていうのはある程度どこもそうかもしれませんが、特定の企業とズブズブの関係でいままでやってきて、その企業の海外進出にくっついてきた結果、上海法人があるわけです。

そのお客さんの呼吸が止まりそう、という話は数年前から出ていたのにも関わらず、何の手も打たずにここまでやってきた創業60数年の老舗企業がウサヘンの会社。

ぬるま湯につかっている時間が長すぎてだれも新しいことを始めるとか、変化を望んでいない。

年初に社長のあいさつというのがあったんですが、”苦しい今こそ気合で乗り切ろう”というような精神論だったので、これはだめだな、という思いを新たにしました。

これって上海日系企業あるあるなんだよな…

こういう話、ウサヘンの会社に限ったことではなくて、中国の日系企業ではあるあるなんですよね。

高い給料もらって日本からきている駐在員は地下鉄で数駅の距離を会社の車で通勤し、中国語も覚えない。

そのくせ現地スタッフが10人雇えるほどの給料をもらっている。

やっと仕事や中国の商習慣を覚えたと思ったら日本に帰任、また何もわからない新しい駐在員がやってくる。

こんなことを繰り返しているのが日系企業です。付き合いきれるか!ということで退職しました。